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低床電車

 万葉線は二つの顔がある。

 

 高岡駅を出発し街中を走る、いわゆる路面電車の軌道(高岡軌道線)と、射水線を越えたあたりから港までの鉄道線路の軌道(新湊線)で、表情がまったく異なる。軌道の様子も電停の造りも異なるので、別の用途の線であったということは直ぐ解る。それ以上の詳細な内容はWikiで調べてほしい。ただし、深入りすると『富山地方鉄道』の歴史を深堀することになり、それはそれで、明治の富山の土木史を学ぶ学ぶことになるが、ドンドンと本旨とはかけ離れていき、常願寺川の改修から立山砂防にまで話は広がっていく。そしてこれらと、発電や電車も含め、すべてが繋がっていく。楽しくないですか。

 

 さて、高岡駅のすぐ横にできたビルの一階のバス待合室の裏にある電停は中々シャレている(ここだけはカッコイイ)。JR駅との接続という点では、広島駅前のように、初心者には何に乗ればいいのか訳が判らない、ということもなく、富山駅の中の電停のように始発駅でもあり中間駅でもあるという、面白さもない。単なる一本線の始点であり終点である。その電停に、真っ赤な可愛いらし低床車両が、静かに停まっていた。1日券を車掌さんから直接買い、彼がマジックインキで今日の「日にち」を大書してくれた。

 

 私の仕事は、①沿線風景を楽しむ、②終点の周りを徘徊する、③整備工場を覗いてみる、くらいである。

 

①沿線:はじめは、日本独特の派手な看板が並ぶ風景だ。後半はいかにも、民家の裏を走る港からの引き込み線といった風情。

②終点:港が終点というのも日本には多い。生活密着というよりは、駅と港の接続(乗換)という、いかにも産業のための路線という感じだ。

③整備工場:これは本社兼用(本当は本社に整備工場がついている)である。こういうのはフランスでは見たことがない(これも、ないのではなく、私が知らないというだけ)。

 

 印象に残ったのは、終点の「越ノ潟」から渡船が出ていたこと。電車の切符で乗れたのだが、周辺を眺めていたら、出発してしまった(残念)。大な斜張橋があり、対岸まで歩いて渡ることも可能らしい。実はこの橋は、昔、富山県に用事あった時、「行きたいところがあれば案内します」と県の職員さんに言われ、「大きな橋があれば」とお願いし、来たことがある。エレベータで上まで登ったのだが、あまりの暑さで、引き返すことにした。

 

 「越ノ潟」で帰りの電車を待っていると、旧式のチンチン電車がやってきた。女性の運転さんで、客もいないので、先ほど乗った電車の車体番号MLRV 1004の意味を聞いたら、「知りません。すぐ出ます」と会話を拒否された。「米島口」にある整備工場(本社)まで来て、下車し、待機中の電車を撮影していたら、車掌さんも交代で、別の車掌さんと立ち話をし、数分後、私の所にやってきて、万葉線ライトレール車両のことだと教えてくれた。確かにそんなことが、車両の窓の上の方に、英語で書かれていたことを思い出した。それよりも彼女が親切なことに感動しつつ、それくらいの知識は持っておいてほしかったと、一人静かに「空気突込み」をして、高岡駅行きのMLRV 1006に飛び乗った。

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コメント: 1
  • #1

    ponts (木曜日, 14 7月 2022 21:15)

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